倉敷の文化
2012年 10月 10日
8月の暑いさなか、倉敷を訪れ、短い滞在時間で絵を仕上げよう!と
朝7時過ぎから9時までの時間制限であちこちを描きました。
それが偶然、番組でのきなみ紹介され、自分で描いた絵を膝の上に置いて
「これがあそこ、あそこの角を曲がれば美術館・・・」と思い出しながら
画面と絵を交互に見ていたら、絵がとても貴重なものに見えてきました。
何気なく、「この小路良いな~」とか、船着き場も「この辺が素敵だな~」
と思った所が、そのまんま紹介されていました。
また、「この窓から見た倉敷の景色、素晴らしい」 と思って描いたら
番組によると 「大原家の美意識を凝縮した、倉敷一番の風景」 だそうです。
飛び込みで倉敷を訪れ、あてずっぽうで歩いても、こうした美しいものを
目のあたりに出来る倉敷は、本当に美しい町なんだな~と思いました。
番組の中で、一番興味深かったのが「司馬遼太郎の歴史を紀行する」と言う本の一文。
(倉敷は)たとえば街路にチリ一つ落とすものもいない
という事が描いてあると。
その通り、倉敷は美しくとても清潔な町でした。 朝一番、私が絵を描いている前で
せっせと、ゴミ一つない街路を掃き清めているおじさんがいました。
綺麗であっても、日々掃除を積み重ねる気持ちを持った人がいる町。
とても印象的であったと思います。
そして建物だけでなく、人の品の良さも感じました。 これも番組の中の話ですが
倉敷には独特の文化として 「旦那衆」による文化、と言うのがあるそうです。
力を持った家の旦那達の考えとして
「人のまねをしない」
「文化に精通している」
「怒ってはいけない」
と言うのがあるそうです。 心に余裕がなければ思えない事です。
今もなお続く立派な家柄の当主が次々出てきて、文化などを語るのですが
「古いものを保存」と言う考えを通り越し、「保存よりも活用する」という意識が
あるようです。だからこそ、倉敷が皆に愛されて、いつも賑わっているのだと思います。
これも旦那衆文化の一つだと思います。 スマートというか、粋ですね!
秋田も、次々新しくするのではなく、古いものを活用する文化を根付かせたら
いかがでしょうか? それを思うと・・・通り町、もったいなかったな。
本日もありがとうございました。
自分の描いた絵がイキイキしているのがとても嬉しかった昨日でした。